副施設長

特養は「必要悪」?

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またまたTwitterの話題で申し訳ありませんが、ブログを書くというモチベーションになるのもたしか。ムキにならない程度に、もうしばらく続けてみようと思います。今回は「特養(または既存の施設)は必要悪なのか?」という論争についてです。

いわゆる先鋭的な介護をしている施設にと比べて、特養を揶揄する言葉は多くあります。「人間扱いしていない」「必要悪」「鳥のえさやりのような食事」挙句の果てには「牢獄」「刑務所」など…お前は刑務所に入ったことあるんかい!とツッコみたくなります😅

「必要悪」という言葉、個人的にはあまり好きではありません。そこに携わる人が自己覚知として心の中で唱えているなら、まあ仕方ないです。しかし他の場所からそう言われて、いい気分がする人がいるでしょうか。

かくいう私も「これは必要悪だ」と感じながら仕事をしていた時期がありました。具体的には徘徊のある方を連れ戻したり、おむつ交換を拒否する方を押さえつけたり、「家に帰りたい」と懇願される方をごまかしたり。工夫でなんとかなる場合もありましたが、ならない時もたくさんありました。

私自身、「必要悪」を感じなくてすむ職業や場所に自分を移せればよかったんですが、私の場合は今の施設を離れる事ができない理由がありました。ですのでそのまま「必要悪」な仕事を続けていました。

そして年をとった今「今の若い方たちには、なるべくあの頃の自分と同じような気持ちになってほしくないな。」と考えるようになりました。

「あなた達は間違っていない」「社会の役に立っている」「大げさでなく、特養があったおかげで人生が救われた人がいる」これらの言葉を躊躇せず、若い世代に伝えていくつもりです。



一部の人間に「善行を成している」という思い上がりがあるからこそ必要悪という概念が生まれるのではないでしょうか。人間と人間との関わり…それは言葉や文章にできない感覚的な瞬間の積み重ねで、「正しい」「まちがい」「善い」「悪い」の区別なんて、あってないような場面も多いんです。

私自身も「必要悪」であり続けますよ。誰かひとりにでも必要とされているのならば。

「不要善」を施しまくる仕事に就くよりも、よっぽど健全な毎日を過ごせそうですから😂

-副施設長

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