自分の職場に
「これっていい介護って言えないよね」
というセリフが口癖の介護職員がいらっしゃいました。
「いい介護」ってなんなんでしょうか?自分の中では「よい」と思っておこなっている介護が、ほかの職員にとって必ずしもそうであるとは限りません。
例えば、自分は利用者様が望めば、利用者様がおひとりでが可能な事でも基本的に手伝うようにしています。信頼関係の構築、利用者様の意欲の向上、単純な「大変そうだな」という個人的な感情…さまざまな理由がありますが、結局のところしてあげる事が「よりよい」と判断するためです。
しかし職員の中には、「利用者様の自立の機会を奪っている」と考える方もいらっしゃるようです。自分でできる動作は、かなりギリギリの口調(ほぼアウト)を使ってでも本人にやってもらうべきだ、と。
お互いがお互いの正当性のみを貫いて「よい介護」を議論するのなら、いつまでも答えは出ません。仕事中なら時間を無駄にしている(つまりさぼっている)と言って差し支えないと思います。
「これっていい介護って言えないよね」を言い続けておられた方は、「ここではいい介護ができない」と退職されました。今も介護職をされていますが、「いい介護」が可能な環境にたどり着けているのでしょうか。
「これっていい介護って言えないよね」
この問いかけは苦手なので、
「これより、よりよい介護ってないのかな」
にしてもらえると、幾分かは助かります。