昨日は若手職員と話す機会がありました。といっても彼にとっていい話ではなく、普段の業務態度がよくないのでいわゆる説教です。
今までは本人のやる気が出るよう、あの手この手で関わってきました。相手の立場で、少しずつでもいいから良くなってほしいと。
しかし「言ってはいけない言葉」「やってはいけない事」が目につきはじめたため、今回はかなり深いところまで話す必要ができてしまいました。
どんな職業についてどのように仕事をしていても、「やってはいけない事」「言ってはいけない言葉」があります。
腹が立っている、イライラしているという自分の感情を、彼に正直に伝えました。そして以下のようなその理由も。
施設にはさまざまな職員がいて、さまざまな仕事をしています。そのすべての職員が「お年寄りに少しでも安心して楽しくすごしていただきたい。」といった願いを持っているはずです。もちろん個人差はあるかもしれませんが、この想いがまったくない職員はいません。
介護の仕事はとてもたいへんです。若く、人生経験の少ない職員にとってはつらい場面もあるでしょう。少しくらいいい加減な仕事をしても「仕方ない」となぐさめてくれる先輩もいるかもしれませんし、それ自体はそんなに悪いこととは考えていません。
しかし、一番大切な部分を勘違いする事は許せません。
それは
定時になったら家に帰れる職員が、施設でずっと生活しなければいけない老人より不幸なんて事は、絶対にない。
という原則です。
この普遍の約束を裏切らないため、いろんな職員がつらい事や苦しい事、情けない想いや腹が立つ場面、それらをぐっとこらえ、乗り越えているのです。
「利用者様を殺したい時がある」だの
「虐待があっても仕方ない」だの
「こんな利用者いなくなればいい」だの
これらの言葉は、利用者様はもちろんの事、いっしょに働いてる仲間も深く傷つける言葉です。それはチームワークやモチベーションと真逆、信頼の冒涜にあたる行為。許せる言葉ではありません。
面談を終えたあと、いろんな方から「彼にこちらの気持ちは伝わったか」「少しは勤務態度が良くなりそうか」など聞かれましたが、正直なところまったくわかりません。
これから彼がどのような行動をするか。言動ではなく行動、そこで判断するしかないからです。
面談の最後に「私は利用者様の安全を守るためなら、こっそり隠しカメラを置くくらいは平気でやる人間だから、気をつけた方がいい。」と、はっきり伝えました。
家族様が置いた隠しカメラで不適切なケアが発覚するというような、悲しい出来事を起こすわけにはいきませんから…